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標準原価はどう設定すべきか? [管理会計]

製造業であれば毎年もしくは半期/四半期に一度は標準原価を設定しますが、
どの程度のレベルを標準とすべきか色々と考えがあると思います。

「原価計算基準」で認められているのは、以下の2.現実的標準原価と3.正常原価になります。

1.理想的標準原価(ideal standard costs)・・・簡単に言うと操業度もMAXかつ最高能率、仕損、現存無し、遊休時間無し。と完全に理想で現実的には使えません

2.現実的標準原価(expected actual standard costs)・・・ある程度の良好な能率のもとにおいて達成が期待できる標準原価。通常の減損、仕損、遊休時間などの余裕を含む原価

3.正常原価(normal standard costs)・・・異常な状態が無く過去の平均

4.目標標準原価(Target standard costs)・・・これはオリジナルですが、過去数年間のベストの数値をターゲットとして設定した標準原価

達成可能確率順に並べると以下の様になり、原価差異の大きさも右に行けば行くほど大きくなるというイメージです。
3.正常原価⇒2.現実的標準原価⇒4.目標標準原価⇒1.理想的標準原価

さてその上でどの標準原価を用いるか?ですが、
これは当然会社の実力や状況により変わってくると思います。

私が経験した事を話すと、まず赴任した当時は会社の状況が非常に悪く、データや書類等も揃っておらず、当然「見える化」もできていませんでした。損益は悪いので会社の状態が悪いのは皆が認識しているのですが、具体的に何から直せばいいのかがわからない。(当然課題は複数あるのですが、多すぎて何から手をつけていいかわからない状態でした。)

そういう状態の場合は、まずは3.正常原価を設定するのがいいと思います。まずそもそもここ数年どういう原価で推移していたのか?実力を把握するためにデータを揃えるところからスタートで、徐々に問題点が明らかになるにつれて優先順位をつけて原価を改善していく。と言う流れです。

そして、少し実力がつき損益や各種数値が上向きになってきたら2.現実的標準原価や4.目標標準原価の設定を検討していけばいいと思います。
我々の場合は、事業計画等公式に外部に提出するのは2.現実的標準原価で設定し、別途非公式な社内目標として、4.目標標準原価を設定していました。
今問題になってる某芝さんのチャレンジとは別物です。あくまで法令遵守が大前提です。
個人的にはAppleでは無いですが、外部向けの業績予想はややコンサバティブに出しておいて実績はそれを上回る。がいいのではないでしょうか。







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