SSブログ

Form 7004(Application for Automatic Extension)法人税申告の延長申請 [税務]

本日は、3/15に期限の連邦及び州の法人税申告を延長申請した場合の最終申告期限です。
そのため、Form 7004(Application for Automatic Extension)の説明をしたいと思います。

まず3/15に連邦法人税(U.S. Corporation Income Tax Return)の申告書(Form1120)作成が間に合わない場合は、IRSに対してForm 7004(Application for Automatic Extension)を提出し、納税を行う必要があります。受理されると自動的に最大6ヶ月の申告期限の延長が認められます。
※あくまで申告の延長が認められるだけで、納税自体は3/15に行わなければいけません。もし概算で税金を納付し、この金額が最終申告額より低い場合は不足分に対して金利を支払う必要があります。

連邦法人税はEFTPS(The Electronic Federal Tax Payment System:オンライン納税)で支払って下さい。なお、EFTPSは当日付けの支払が出来ず、納税期日が3/15であれば少なくとも1日前に支払処理をしないといけません。

州の法人税に関しては、各州によって延長申請フォームが異なりますので各自ご確認下さい。
また通常はどの州も連邦法人税と同様に申告の延長は出来ても、納税自体は3/15に行う必要がありますので注意が必要です。



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

Nexus(ネクサス)と州税 [税務]

最近のトピックとして上がることが増えてきたNexus(ネクサス)ですが、英語ではConnectionやPresenceと言うニュアンスで定義されています。
要はある州での事業活動が課税に値するほどに根ざしたものであるか?ということです。
Nexusがある=課税対象となります。

大きく分けで以下の3つの税においてNexusが有るかどうかがポイントになってきます。

1. State income tax (州法人所得税)
2. Franchise tax (フランチャイズ税)
3. Sales & Use tax (売上/使用税)

1. State income taxと3. Sales & Use taxに関してはわかりやすいと思いますが、2. Franchise tax (フランチャイズ税)に関して、補足すると週によってはPrivilege taxとも呼ばれ、日本の外形標準課税とほぼ同じで、企業はその事業活動を行うにあたって地方自治体から各種の行政サービスの提供を受けているのだから、その他以下に見合った課税をしますよ。ということです。
このFranchise taxは通常資本金や給与総支給額と言った所得でない要素を基準に算出されることが多いです。




nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

アメリカでの移転価格税制 (Transfer pricing)その一 [税務]

日本でも大企業を中心に「移転価格税制」に基づく追徴課税に関して訴訟も起こっていますが、当然アメリカ企業もIRSから移転価格税制に関して調査を受けるリスクは高まっています。

移転価格税制概要に関しては、こちらを御覧ください。
http://www.tax.tohmatsu.co.jp/recruit/tp/work/abouttp.html 

要はグループ間取引に関してのプライシング(値付け)は、外部の第三者との取引価格を基準に(「独立企業間価格 /arm's length price」と呼ばれる)設定しなさいよ。もし正当な「独立企業間価格」で取引しておらず税金を過少申告していた場合は、「独立企業間価格」で取引したと仮定し税金を追徴します。(場合によっては、ペナルティ+利息)ということです。

では会社としてはどうすればよいかというと、グループ間取引に関してのプライシングが「独立企業間価格」を基準に正当に設定されているということを、同時文書化と言って税務申告の際にコンサルタント(会計士)に大金を払って大量の資料作成してもらい、将来の税務調査に備えるわけです。
繰り返しますが、アメリカでは移転価格同時文書化は法定義務で決められています。

以下で説明するように、この移転価格のペナルティはめちゃくちゃ厳しいですが(移転価格税制に限らずアメリカ政府の巨額のペナルティビジネスはどうかしてます。)、正しい方法で同時文書化を行い、調査の際にIRSの要求にきちんと対応すればペナルティはありません。※但し、移転価格が適用され過少申告とみなされ金額が更生されればその分の追徴課税は発生。

ペナルティとしては以下2つの種類が有り、いずれかの条件に合致すればペナルティを課されます。
1. 取引ペナルティー(transactional penalty)
2. 正味調整ペナルティー(Net-adjustment penalty)


ペナルティ20%のケース

1.関連会社間取引価格が適正とされる「独立企業間価格」の50%以下(主に輸出取引、安く売りすぎているケース)もしくは200%以上(主に輸入取引、高く仕入れているケース)

2.該当課税年度の更生金額(net Section 482 adjustment )が、$5 millionもしくは売上の10%のどちらか少ない金額を超えたケース


ペナルティ40%のケース

1.関連会社間取引価格が適正とされる「独立企業間価格」の25%以下(主に輸出取引、異常に安く売りすぎているケース)もしくは400%以上(主に輸入取引、異常に高く仕入れているケース)
※まあこれは無茶苦茶なプライシングなので、現実的ではないですが、、

2.該当課税年度の更生金額(net Section 482 adjustment )が、$20 millionもしくは売上の20%のどちらか少ない金額を超えたケース

ペナルティ無しのケース※あくまでCan be avoided

1. Section 482の移転価格算定法に準拠しており、かつ

2. その中で最も正確に独立企業間価格を算定する方法を取られた文書を適切に保管し、IRSの文書の要求に30日以内に対応すること



Form1120-F 及びForm 8833 [税務]

前回
前々回
と日米租税条約の恩恵を受けるための日本の法人側(受益者)が米国法人に提出する(Form W-8BEN-E)
また米国法人が行うべき源泉徴収のEFTPSでの納付及び申告(Form 1042、Form 1042T、Form 1042S)の話をしました。

今回は日米租税条約の恩恵を受けている日本の法人がIRSに提出すべきForm1120-FとForm 8833に関してです。

日本企業の中には、アメリカの子会社からの配当やロイヤルティに関しては、アメリカで申告の必要が無いと考えているところも有るのですが、実際には租税条約を用いる事により源泉徴収が免除された場合、納税額が無くてもForm 1120-F の提出が義務付けられています。

さらに以下のどちらの条件に当てはまる場合は、日本の法人でもForm 8833をIRSに対して提出しないといけません。※規定の税率で源泉徴収(1042 withholding)していた場合は不要。

1.50%超の株式を保有してる米国子会社より事業年度を通じて総額$500,000以上のFDAP所得(Fixed or Determinable Annual or Periodical Incomeの略※利子・配当・賃貸料・ロイヤリティなど)があった場合

2.10%超の株式を保有してる米国子会社より、配当を受け取った場合

以下が日米租税条約の恩恵を受けるために必要な資料のまとめです。

作成 提出先 様式
日本法人 アメリカ法人 Form W-8 BEN
アメリカ法人 IRS Form 1042
アメリカ法人 IRS Form 1042-S
アメリカ法人 IRS Form 1042-T
日本法人 IRS Form 1120-F
日本法人 IRS Form 8833

※Form 8833は以下の条件に合致した場合のみ
1.50%超の株式を保有してる米国子会社より事業年度を通じて総額$500,000以上のFDAP所得 
2.株式保有率が10%超の米国子会社より、配当を受け取った場合
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

源泉徴収の納付及び申告(Form 1042) [税務]

前回日米租税条約の恩恵を受けるために日本の法人が準備すべきForm W-8BEN-Eの説明をしました。
今回はそれを踏まえた上で米国法人の源泉所得税の納付から申告の流れを説明します。

Step1.前回説明したForm W-8BEN-Eの準備 https://blog.so-net.ne.jp/_pages/user/auth/article/?blog_name=americacfo 

Step2.源泉徴収の納付
米国非居住者(受益者※日本の親会社等)への支払時に源泉徴収された税金は、徴収額により納付の期日が異なります。

①源泉徴収額が、7日・15日・22日・月末時点で$2,000以上となった場合 → 3営業日後までに納付
②源泉徴収額が、月末時点で$200以上$2,000未満となった場合 → 翌月15日までに納付
③源泉徴収が12月末時点で$200以下の場合 → Form 1042の申告と共に納付(3月中旬)

納付はEFTPS (IRSのオンライン納付システム: Electronic Federal Tax Payment System)www.eftps.gov/eftpsで行いますが、 EFTPSのアカウントを持っていないと事前登録が必要となり、ID等を入手するのに2週間ほどかかります。
またシステムの処理上実際の支払日は支払実行日の翌日以降になりますので、納付期日前に余裕を持って登録及び納付する必要があります。

Step3.申告 Form 1042の作成と提出
提出期限3月中旬(15日前後)以下3種類のフォームの提出と未納付の源泉徴収がある場合は納付。

1. Form 1042:年間源泉徴収額を記入
2. Form 1042T:何人の受領者がいるかを記入
3.  Form 1042S:それぞれの受領者への支払額を記入
(250社(人)以上の受領者がいる場合はオンラインで1042Sを提出する必要があり。またオンライン提出の場合は1042Tの提出は必要無い。)



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:仕事

日米租税条約とForm W-8BEN及びForm W-8BEN-E [税務]

日本の親会社が日米租税条約の恩恵を受けるために作成しないといけないのが、Form W-8BEN及びForm W-8BEN-Eです。
いくら日米租税条約で免税されている所得でも、この書類をきちんと提出していないと税務調査が入った際に、30%(又は予備源泉徴収税率等)の源泉税を徴収されるリスクが有ります。

2015年8月現在の日米租税条約(源泉課税)
-配当-
(持株割合50%超)免税
(持株割合10%以上50%以下)5%
(一般配当※ポートフォリオなど)10%

-利子-
(金融機関が受け取る利子)免税
(その他企業が受け取る利子※親子ローン等)10%

-特許権、商標権、著作権、ロイヤルティ等-
原則免税

2014年に改正が有り、以前はForm W-8BENで個人も法人も対応していたのですが、2015年1月以降の提出分から、個人はForm W-8BEN、法人はForm W-8BEN-Eを提出するという事になりました。

注意点としては
*作成は受益者(日本の親会社)が行う

*提出先はIRSではなく所得の支払者である米国法人(源泉徴収義務者)

*一旦作成すると会社名等の重要な情報の変更(change in circumstances)がない場合はに署名した日から3年間経過した後の12月31日まで有効※例:フォームの署名日が2014年9月30日の場合には、2017年12月31日まで有効。(情報の変更がなく、米国納税者番号(TIN)の記載があるなど一定の場合には、無期限に有効)

*重要な情報の変更(change in circumstances)があった場合は30日以内に新しいフォームを発行

*同じ会社から複数の種類の所得がある場合(配当とロイヤルティ等)それぞれ別のフォームが必要

さらに記入内容の注意点としては、
*W-8BEN-Eの1ページ目、PartIのLine 5 Chapter 4にて、正しい法人タイプを選択する事
-日本の金融以外の上場会社またはその関連会社なら:Publicly traded NFFE or NFFE affiliate of a public traded corporation
-日本で上場していない金融以外の事業会社場合:Active NFFE 
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:マネー

未請求資産(Unclaimed property) [税務]

こちらも日本では耳馴染みのない言葉ですが、近年注目度が上がってきているトピックです。

未請求資産とは企業(Holder)が保有する所有者(Owner)不明もしくは所有者に返還できない資産で、ある一定の期間(Dormancy period)を超えたものになります。

具体的には、
-Payroll check(未取付け給与小切手)や Uncashed dividends(未取付け配当金)及び仕入先へのUncashed check(未取付け小切手)
-客先へのクレジットバランス(過払い金等)
-仕入先へのクレジットバランス(未払の買掛金等)
-保証金(Security deposit)

等々金融資産も含めて多岐に渡ります。
以前にも説明しましたが、アメリカでは小切手(Check)での支払がメインで、受取人が小切手を紛失してしまい換金を忘れる等の理由で上記の様な未請求資産(Unclaimed property)が発生します。

未請求資産に対する制度としては、何らかの理由で本来の所有者に返還出来ない資産はネコババせずに、一定期間を超えた場合州政府に一旦返還しなさい。ということで、財政の厳しい州政府からすると追加の財源として利用できるチャンスになります。
また特に外国資本の企業はこういった制度に慣れておらず、州政府も外国資本の企業を狙い撃ちして調査しているという話も聞きます。

頭が痛いのはどの州でもほぼ時効が無いということ、また一年に一回の報告期限があるのですが各州報告期限が異なり、また一定期間(Dormancy period)を経過した未請求資産(Unclaimed property)が報告の対象になるのですが、その一定期間(Dormancy period)も州によって異なります。

本当に手間がかかるトピックになるので、以下を注意することでそもそもの未請求資産(Unclaimed property)が発生させないシステムが重要だと思います。

1.毎月のBank reconciliationで常にOutstanding check(見取付け小切手)を把握する。
2.該当の仕入先や従業員にOutstanding check(見取付け小切手)存在を伝えて、換金を促す。
3.小切手紛失の場合は、銀行に該当小切手をStop payment(取り付け不可指示)を出して、新しい小切手を発行し、換金してもらう。

経理の立場としては、クレジットバランスは早くクリアにしてBSをキレイにしたい。と言う気持ちはいたいほど分かるのですが、間違っても上記のような未請求資産(Unclaimed property)を消して、雑収入として計上してはいけません。


売上税(Sales tax)と使用税(Use tax) [税務]

アメリカでの税務は非常に煩雑です。というのも各州が様々な税制を取っており、その下にぶらさがっている市と郡もそれぞれの別に税制を取っています。
今回はその中でも日本の消費税に近い売上税(Sales tax)と使用税(Use tax)に関してお話したいと思います。

全米には1万弱とも言われる売上税区分があり、課税対象の商品や税率は文字どおり千差万別です。
弊社もアメリカの3つの州に拠点があり、最大9個(州+市+郡)✕3 の異なった税法を理解するのが大変でした。

日本では例えば製造業同士のB to Bの取引ででの売上にも消費税を課税します。そして年度末に支払った消費税(仮払消費税)と受け取った消費税(仮受消費税)の差額を申告納税するシステムですが、こちらの売上税は少しシステムが違います。というのも最終消費者に対する販売の際のみ売上税を課税し、それ以外のB to Bの取引な基本的に非課税です。

具体的な例を挙げると、以下の様な取引の流れがあったとします。

A社(部品メーカー)⇒B社(自動車メーカー)⇒C社(自動車販社)⇒消費者

この中で売上税(Sales tax)を課税するのは、最後のC社(自動車販社)⇒消費者の取引のみで、それ以外の取引に関しては売上税(Sales tax)を課税しません。

要は売上税(Sales tax)は、再販目的で仕入れる場合は売上税を支払う必要は無いということです。但し再販目的での仕入を行うため、再販業者はあらかじめ州税務局にSales taxのライセンス登録を行い、再販許可証(Resaler's Permit)を取得する必要があります。
また特別な免税等でSales taxが免除されてない限り、Sales taxを顧客からを回収する責任は、販売者にあります。

ところが販売者によっては該当州のSales taxのライセンス登録をしないで、インボイスに売上税を課税せずに請求してくるところがあります。またインターネットからの購入に関しても、Sales taxが課税されていない事も多いです。

Use taxはSales taxを補完するために存在し、上記の様なケースは購入者自身がSales taxを課税されていない取引をすべて把握し、使用税(Use tax)を自分の会社がある州の税率で申告納税しないといけません。
基本的に使用税(Use tax)の税率は売上税(Sales tax)と同じです。

このUse taxの申告がかなり手間で、全てのインボイス及びインターネットからの購入をチェックして、Sales taxが課税されていない取引に関して、州と郡には毎月、市には四半期毎に申告していました。
また日本からの機械部品等の購入に関しても原則購入者がUse taxを申告納税しないといけません。

上記の様に非常に煩雑なため、実際にはきちんとUse taxを納税申告をしていない会社も多いようです。
また会計士の中にもSales taxとUse taxの税法を完全に理解できていない人もいたりします。


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。